佐原ミズ作品にみる、1つの表現技法。

自分の好きな漫画家の1人に佐原ミズ先生がいます。
愛する人を亡くした親子のホームドラマ「マイガール」、淡い恋愛オムニバス「バス走る」、そして新海誠監督の映画を漫画化した「ほしのこえ」。
どれもが佐原先生らしい繊細な絵のタッチが際立っている作品です。
佐原先生の特徴でもあるその繊細な絵のタッチなんですが、先生はそれをさらに活かす為に「同じカメラアングルを続けて使用する」という技法を使っているんですよね。
上の画像は「ほしのこえ」のワンシーンから。
分かりやすいようにこのシーンを選びましたが、むしろ1コマか2コマ間を空けている場合や、コマの大きさやズーム率が違う場合が多いです。
この技法の利点は、キャラの表情をより読者の意識させることができる所。
人間は「変化」を意識する習性を持っています。
この場合、その「変化」はキャラの表情だけ。
つまり、この習性を利用することで、読者はキャラの表情にだけ意識を集中することとなり、結果的に読者はキャラの細かい心情までを汲み取ることが可能になるわけです。
簡潔に言えば、このシーンでは読者の視点が論理的から感情的なものにシフトするんですよ。
その繊細な絵のタッチでキャラの表情を描ける佐原先生だからこそできる技法だと思います。
下手をすると、読者に「単調さ」を抱かせてしまうリスクも持っていますし。
なんと言うか………、漫画でありながら非常に映像的な技法ですよね。
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